ざるご博士になりたいブログ

140字では書ききれないことを書いていきます。

Chainerチュートリアルは初学者がディープラーニングをサクッと理解するのに超おすすめのサイト

この記事は移転しました。約2秒後に新記事へ移動します。移動しない場合はココをクリックしてください。


tutorials.chainer.org

Preferred Networks (PFN)が公開したChainerチュートリアル,話題になっていたので読んでみましたがほんとにサクサク読めてわかりやすかったです.

日本語の文献なので英語ワカリマセンという方もぜひ読んでみましょう.

現時点で公開されてる「ディープラーニング入門」の章まで読むのに所要時間がだいたい3時間半でした.

高校数学の知識さえあれば,それ以外の前提知識が全くない人でも半日あれば余裕で読み切れるんじゃないかな?

ということで,以下に簡単に書評を記します.

教材の内容

Step 1 準備編

  1. はじめに
  2. Python入門
  3. 機械学習に使われる数学
  4. 微分の基礎
  5. 線形代数の基礎
  6. 確率・統計の基礎

まず,この6章で前提となるプログラミングや数学の知識を網羅しています.

2のPython入門では,変数の使い方や四則演算などの超基本的なことから解説されているので,プログラミング言語を全く触ったことのない人でも読み進められると思います.

しかし,必要なことだけがコンパクトに書かれているので,多少知識のある人が読んでも苦にはなりません.こういう教材だと基本的なことに紙面を割きすぎて読み手が疲れてしまうというのがありがちなのですが,そこがクリアされているのはお見事という感じです.

3から6では,数学的な基礎知識が解説されています.こちらも,x2の微分が2xであるというようなほんとにごく基礎的な部分から,最尤推定やベイズの事後確率などの統計的学習理論に欠かせない部分までコンパクトにまとまっていました.

Step 2 機械学習とデータ分析入門

  1. 単回帰分析と重回帰分析
  2. Numpy入門
  3. scikit-learn入門
  4. Cupy入門
  5. Pandas入門
  6. Matplotlib入門

この章では,機械学習・データ解析の基本的な例として,7で回帰分析をとりあげ,実際にPythonで回帰分析を行う様子を8-12で解説しています.

機械学習の便利なライブラリであるscikit-learnをはじめ,数値計算のnumpy,GPU計算のCupy,データフレームのPandas,可視化のMatplotlibの使い方がそれぞれコンパクトにまとまっています.

この章を読めば機械学習の基本的な流れは抑えられると思う.

Step 3 ディープラーニング入門

  1. ニューラルネットワークの基礎
  2. Chainerの基礎
  3. Chainerの応用
  4. トレーナーとエクステンション

この章を読めば,ディープラーニングが大体わかります.(多分)

まず13で,順伝播と誤差逆伝播法,確率的勾配降下法などの,ニューラルネットワーク(ディープラーニング)に使う数学的な理論が簡単に記されています.

そして14-16ではディープラーニングのフレームワークであるChainerを使った具体的な実装方法が記されています.単なる使い方だけでなく,簡潔にコードを書く方法や,ログの取り方など,必要な情報がもれなく抑えられています.

しかしながら,Chainerというフレームワークの扱いやすさも相まって,非常に説明が頭にすっと入ってくる印象でした.

注目ポイント

初学者向けだけど,ダラダラ無駄な情報を書いていない!

とにかくここに尽きます.

人間の集中力というのはそう長くは持ちません.分厚い教科書に飽きて挫折してしまった経験は誰しもあるでしょう.

しかし,この教材は本当に必要な情報のみを厳選して書いていて,集中力がなくなる前に読み切れてしまいます.

初学者にもある程度知っている人にもおすすめの教材です.

よければ読者登録やTwitterのフォローよろしくお願いします。