絶滅危惧種うなぎ「食べて応援」に関する誤解
この記事は移転しました。約2秒後に新記事へ移動します。移動しない場合はココをクリックしてください。
もうすぐ夏です。そろそろうなぎの季節がやってきますが、いつうなぎが食べられなくなるのかとヒヤヒヤしている人も多いと思う。
ご存知のように、うなぎは年々量が減少しており、このままでは絶滅するのではないかと言われている。
絶滅を防ぐためにも、消費者はうなぎを食べないように自粛をするべきではないか?と思う人も多いそんな中、うなぎを「食べて応援」しようというキャンペーンが度々目につくことがある。
それに対し、インターネット上では、「絶滅するのを応援しとるんやろ」「頭おかC」「食べて応援w」など、圧倒的に否定的な意見が多く寄せられている。
だが待ってほしい。本当にただ金儲けのためだけに「食べて応援」というキャンペーンが打たれているのかというと、実際は少し違う。
次のページは、うなぎの「食べて応援」キャンペーンをやっているコープデリのサイトだ。
サイトを見ると、最初に目に入ってくるのが、
食べて関心を持ってもらうことで、うなぎを守っていきたい
というフレーズ。
「は?」と思う人も多いかもしれないが待ってほしい。続きを読んでみよう。
2014年、コープデリは、大隅養まん漁協、日本生協連と「国産うなぎの安定的な事業継続に関する覚書」を締結。産地を応援する目的で「CO・OP鹿児島県大隅産うなぎ蒲焼」の1パックにつき10円を、大隅養まん漁協が参加している「鹿児島県ウナギ資源増殖対策協議会(※)」へ寄付し、うなぎ資源回復の取り組みに活用しています。
(※)鹿児島県ウナギ資源増殖対策協議会鹿児島県をはじめ大隅養まん漁協のほか、内水面漁連、養鰻団体、学識経験者などで構成。海で卵からかえった仔魚(レプトセファルス)が、シラスウナギに変態し日本の河川で5〜10年過ごした後、また海に戻って産卵します。協議会では海で産卵するうなぎを増やすための活動を行っています。
要するに、うなぎが1パック売れるたびに、10円をうなぎの保全団体に寄付するということである。
この団体は、鹿児島県内の事業者から構成されており、うなぎに関する環境保全・資源回復活動を、研究・勉強会・広報などを通じて行っている団体である。
「うなぎを食べる」ことを通じて、このような団体にお金が入れば、結果的にうなぎを増やせるかもしれない、というロジックがそこにはある。
まあはっきり言って、このような取り組みに協力するよりも、根本的に消費者が買い控えをするほうが種の保全には効果があるのかもしれない。
ただ、裏でこういう取り組みがある、ということを知らずに、「食べて応援できるわけ無いだろバカw」と言ってしまうのは早計だ。
このような誤解は解いた上で、正しくうなぎの保護について考えていくべきだと思う。